一、事件の概要
本事件は、接触分解分野において、主に重質原料の接触分解やガソリンの接触改質に使用される低温再生触媒循環方法の特許に関するものである。係争特許は、導入した後しばらくは商業的成功を収め、国家科学技術賞を受賞した。該特許の名称は「低温再生触媒循環方法及びその装置」であり、具体的に、流動接触分解プロセスであり、該プロセスは、ライザー反応器内で炭化水素原料が触媒と接触して反応し、反応物は分離器に流れ油ガスから触媒を分離し、分離した使用済み触媒はストリッピング区域でストリッピングし、再生器に入ってコークス燃焼して再生し、再生された触媒は、ライザー反応器に戻され、再利用されることを含む。請求項1には、「下部に流動媒体分配設備が設けられ、下流に触媒混合緩衝空間が設けられる」と限定され、明細書にも該構成要件が対応して記載されている。本事件の肝心な技術的争点は、「下流」に位置する「混合緩衝空間」に焦点が当てられている。
Continue Reading 無効戦略に基づいて特許権者が明細書の記載が不十分であることと特許が進歩性を具備しないことを二者択一にする